転職の志望動機で押さえておくべきポイント4つ・陥りやすい4つの失敗

転職希望者の現状と志望動機の重要性について解説したいと思います。長らく続いた不況の影響で、多くの企業では新規採用の凍結や大幅にリストラを敢行してきました。さらに、少子高齢化が年々加速していることにより、慢性的な要員不足に陥っています。

 

そのため、多くの企業では、即戦力となる優秀な人材を確保するため、中途採用枠を拡大しており、転職希望者にとっては、「売り手市場」とも言える状況です。しかし、各企業は少ない労働力の中で効率的に実績を上げるため、より質の高い労働力を求めています。

 

したがって、転職希望者は履歴書や面接試験において、自身が志望企業のニーズにマッチした人材であることをアピールしていかなければなりません。

 

とりわけ、「志望動機」は転職希望者の人となりや、仕事に対する考え方が如実に現れる部分ですから、企業の採用担当者が最も注目している部分となります。

 

つまり、「志望動機」を記入する際には、採用担当者にアピールすべきポイントをしっかりと押さえ、自分の言葉で組み立てることが「採用」につながるのです。

 

 

 

転職「志望動機」で重要な4つのポイント

履歴書に志望動機・志望理由を記入しようとすると、考えがまとまらず全く手が止まってしまう人も少なくありません。また、面接直前にして、志望動機がまとまらず、悩んでいる方もいるでしょう。

 

採用担当者が転職希望者に志望動機を求める目的は、応募者の人となりや仕事に対する考え方を把握し、自社のニーズにマッチしている人物であるか否かを見極めることです。

 

したがって、採用担当者が重視している①転職理由、②自社を選んだ理由、③転職希望者の自己アピール、④将来ビジョンの4点に絞って「志望動機」を組み立てていくとスムーズに記入することができます。

 

 

志望動機と転職理由に一貫性を持たせる

志望動機を記入する際、転職理由は外せませんが、志望動機と転職理由にミスマッチがあると、採用担当者にマイナスイメージを与えてしまいます。

 

採用担当者の頭を悩ませている問題の一つに「早期退職」があります。せっかく苦労して採用しても、1年も経たずに退職されてしまうと、採用や育成にかかった経費が無駄になり、企業経営にとっても大きなマイナスです。

 

早期退職の原因には、転職理由と実際に入社した職場にミスマッチが生じていることがあげられます。例えば、営業職に就きたくて転職を決めた人が、技術職を転職先に選べば、結局、同じ理由で会社を辞めてしまうだろうと判断されてしまいます。

 

したがって、志望動機と転職理由に一貫性を持たせるよう「前職で成し遂げられなかったことが、転職することによって成し遂げられる」といった組み立てとすることが大切です。

 

 

志望企業を選ぶ理由と納得感

採用担当者にとって「なぜこの会社を選んだのか?」は、志望動機の中でも最も注目している部分です。この部分によって志望者の「本気度」や、自社のこと(もしくは募集職種)を正しく理解できているかといったことも解ってしまいます。

 

しかしながら、多くの転職希望者は、ホームページに掲載されている志望企業の経営理念を転載して「御社の経営理念に感銘を受けました」「事業内容に興味を持ちました」といった、どの企業にも使える志望動機を記入しがちです。

 

採用担当者は何十、何百もの志望動機を見ていますから、表面だけを繕った志望動機では即座に見抜かれています。

 

ポイントは志望企業をしっかりと研究・分析し、転職理由にマッチさせることです。

 

そのためには、志望企業の経営理念を理解することは当然として、様々な媒体から経営戦略や事業展開にかかる情報を集め、その企業の得意分野や同業他社との違いを自分なりに分析することが必須です。

 

さらに、志望企業が主催するキャンペーンやイベントに積極的に参加し、また、ユーザーとして商品やサービスを利用することで、自身しか知りえない経験や感想を盛り込むことが可能となり、より納得性の高い志望動機とすることができます。

 

 

経験やスキルから自己PR

企業が中途採用者に求めるのは、その人が持っている即戦力としてのポテンシャルです。

 

したがって、面接や、履歴書では、前職で培ってきたスキルや経験が志望企業で活かせることを具体的にアピールしなければなりませんが、転職理由とのミスマッチが起こるのではないかと危惧する人もいます。

 

そこで、技術職から営業職に転職を希望する場合であれば、「私は長らく技術職に携わっていましたから、製品の特長や構造については人一倍の知識があります。営業職に携わっていく上でも、技術職の経験から製品の特長やメリットをお客様にお伝えすることができます。」とします。

 

こうすれば、前職が全く異なる職種であっても、その経験が他の人にはない自身の強みとしてアピールすることができますし、志望動機と転職理由にミスマッチも防ぐことができます。

 

 

将来ビジョンは自分の言葉で明確に

採用担当者が中途採用に求めるのは、即戦力であることは当然として、長く企業に貢献してくれる社員です。そのためには、会社の目指す方向と転職志望者の将来ビジョンが一致していることが前提となります。

 

将来ビジョンと言うと難しく考えがちですが、自身が入社後にどんな仕事に取り組み、将来的にどういった社員になりたいのかを素直に伝え、採用担当者が「転職希望者が自社で活躍する姿」をイメージできる内容とすることがポイントです。

 

志望動機を作成するうえでも、自身の将来ビジョンを織り交ぜながら作成されるのが良いでしょう。

 

 

 

転職の「志望動機」で陥りやすい4つの失敗

前項では、転職の「志望動機」について4つのポイントをあげて解説しましたが、これらのポイントを踏まえたにも関わらず、採用担当者からマイナス評価を受けてしまうことがあります。

 

その原因として考えられるのが、「志望動機」を自身の思い入れだけで書いてしまっていることです。

 

あくまでも「志望動機」をチェックするのは採用担当者であり、その目的は志望企業のニーズにマッチした人材であるかを見極めることであることを忘れてはなりません。

 

 

転職理由に前の企業の批判を繰り返す

志望動機において転職理由は必要不可欠な要素ですが、以前勤めていた会社の批判を繰り返すのは良くありません。

 

例えブラック企業であったとしても、志望企業の採用担当者にはわからないことですから、批判や愚痴を繰り返していると「組織に対する忠誠心がない人」「不平不満が多い人」と判断されても仕方ありません。

 

また、批判・愚痴といったネガティブな発言が多い方は、消極的な印象を与え、良い結果に繋がらないことが多いのです。

 

志望動機や、転職理由のなかでは、以前勤めていた会社のことには触れないことが得策であり、面接試験などで聞かれても、「自分のやりたい職種と異なっていた」程度に止めておくのが無難です。

 

 

志望企業を選んだ理由に給与や待遇面をあげる

志望企業を選んだ理由に「給与」「勤務地」「休暇」といった処遇面でのメリットばかりをあげてしてしまうと、採用担当者は「自社のことを全く理解していない」「自分のことしか考えていない人」と判断します。

 

もちろん、志望企業を選ぶ上で処遇や労働環境は大切なことですが、「休日が多いので御社を選びました」とする転職希望者を採用する担当者はいません。面接担当者の感想として、処遇や、労働環境だけを目的として志望動機は「弱い」と受け取られたり、そもそも、処遇や待遇、労働環境は変化することもあります。

 

どうしても処遇面に触れたいのであれば、「ワークライフバランスに配意した企業理念に感銘しました」といったように、志望企業の経営理念などに結びつけると良いでしょう。

 

 

 

過剰な自己アピールは逆効果

中途採用に求められるのは即戦力としてのポテンシャルですから、前職の経験やスキルをアピールすることは重要ですが、根拠なき過剰なアピールは返ってマイナスとなります。

 

例えば、技術職から営業職に転職する場合「私は〇〇の設計に携わっていましたから、月間10万円の利益を上げる自身があります。」としても客観的な根拠は何もありませんから、採用担当者からすれば「営業を甘く見ている」と評価されます。

 

謙虚な姿勢を崩さないことは当然として、前職で得た経験やスキルの中で、何が転職先で役立つのかを具体的に洗い出して整理することが大切です。

 

 

将来ビジョンに「勉強したい」はマイナス評価

将来ビジョンを記入する際、向上心や勉強熱心であることをアピールするために「御社で勉強したい」とする応募者も少なくありませんが、採用担当者には良い印象を与えません。

 

まず、転職希望者は「職場は学校ではない」ということを頭に置いておかなければなりません。とりわけ、中途採用に求められているのは、即戦力としての労働力ですから、採用担当者からすれば「今から勉強されても困る」のです。

 

向上心や勉強熱心であることをアピールするのであれば、「将来を見据えて〇〇について勉強しているところです」といったように、既に実践していることを具体的に記入しておけば「将来ビジョンに向けて努力している」と評価されます。

 

 

まとめ

採用に結びつく転職の「志望動機」を記入するには、転職の「志望動機」は、各企業の採用担当者が最も注目すべき点ですから、考え過ぎてしまいスムーズに書けなくなる転職希望者も少なくありません。

 

そこで、①転職理由、②自社を選んだ理由、③転職希望者の自己アピール、④将来ビジョンの4点に絞り込んで整理すると、志望動機をスムーズに組み立てることができます。

 

ただし、採用されたいがために自分の思い入れだけで組み立ててしまうと、思わぬ失敗をしてしまいますので注意が必要です。

 

したがって、採用に結びつく「志望動機」を記入するには、採用担当者の視点を忘れず、しっかりと志望企業を研究・分析した上で、自分の言葉で組み立てることが重要になります。

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